2018年5月16日水曜日

TKR_01 録音図書「偉盲 貝島嘉蔵翁」の公開

吉村誠著「偉盲 貝島嘉蔵翁」大正7年刊 の録音図書を、ボランティア音訳者のご理解・ご尽力を得て製作しました。
視覚障害者やその支援者のみならず、健常者にも聴取してもらって、読みづらい大正初期の文体の原著作に接するハードルを下げる事を狙ったものです。

デイジー図書形式で作成されていますが、原著作の著作権保護期間が過ぎていることを踏まえ、(視覚障害者用ネット配信ー準備中ーに加えて)ここで【公開】するものです。
ただし、ここからDownloadしたものは個人使用に限り、無断の業務用使用や改変等はご遠慮ください。

本書は貝島嘉蔵(18561935年)の伝記(ないし略伝)といえるものですが、現在高宮南緑地内に残されている「旧高宮貝島家住宅」(市登録文化財名称)は、元々嘉蔵が大正4年に直方市西尾の地に建設し、昭和2年に高宮に移築した建物の一部です。嘉蔵はここで最晩年を過ごし、昭和10年に没しました。
本書を、この旧高宮貝島邸にまつわる歴代当主たちの物語の一つとして聴いていただくことも可能かと思います。


本書の概要

本書は貝島嘉蔵(18561935年)の伝記(ないし略伝)といえるものです。

嘉蔵は、近代石炭隆盛時代の筑豊御三家の一つ、貝島炭鉱の創始者にして炭鉱王と謳われた貝島太助の末弟に当たる人物です。直方の赤貧の家に生まれ、艱難辛苦の幼少年時代を過ごした後、兄弟と共に太助の下で炭坑業を始めますが25歳で眼病のため失明しました。しかしここで発奮し兄弟とともに具眼者のように辣腕をふるい、炭鉱王の半身とまで評された由です。また、炭鉱業の傍ら私立小学校の創立ほかの社会貢献でも高く評価されています。

他方本書の著者は、大正時代に福岡盲唖学校校長であった吉村誠(1872~1924年)であり、炭坑現場から引退後の嘉蔵と親交が深かった人です。1918年に本書を自費出版し全国の盲唖教育関係者ほかに贈呈しました。

本録音図書の紹介&解説

 添付のpdfファイルの文書をご覧ください。
                201805_TKR01_att-1
  次の諸項目について記述してあります。ーー本書の概要/本録音図書の聴取・入手方法/本書の構成/古い文体のままでの音訳について/本録音図書製作起案者が期待するところ/(補足説明)原本へのアクセス方法/本録音図書製作の経緯と謝辞/貝島嘉蔵のこと/著者吉村誠校長のこと/本書に登場する記念の品々について/終わりに/

録音図書のDownload

デイジー形式の録音図書の zip ファイルはここからDownloadできます。(28.2MB)
                201805_TKR01_att-2

 デイジー図書聴取ソフトや専用機器をお持ちでない一般健常者の方も、音声ファイルはmp3形式ですので、普通のパソコン等で再生・聴取できます。ーー具体的にはzipファイルを解凍するとフォルダーが出来ます。これを開いて中身のファイルを全部(または MP3の拡張子が付いたファイルを全部)選び、パソコン等に付属しているWindows Media Playerなどのプログラムから開けば再生・聴取できます。

オーディオCD形式の録音図書の zip ファイルはここからDownload出来ます。(691.7MB)
               201805_TKR01_att-3

 音声ファイルはWAV形式ですので、これを用いてオーディオCD(2枚)を作成すれば、一般のオーディオ機器で聴取することが出来ます。ーー具体的にはzipファイルを解凍するとフォルダーが二つ出てきます。各フォルダーの中身のWAVファイル全部を適切なソフトを使ってオーディオCD (700MB以上のもの)に焼いてください。例えばWindows Media Player 11にそうする機能があります。

原本(原著作書籍)へのアクセス方法

原本を見たい、或いは見ながら録音を聴取したい方は、Netでアクセス可能です。
その方法は上述の「本録音図書の紹介&解説」、または「次のブログ記事」をご覧ください。

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